スクラム(Scrum)

スクラムはアジャイル開発の代表的なフレームワーク。Jeff SutherlandとKen Schwaberが提唱。スプリント・スクラムマスター・プロダクトオーナー・デイリースクラムなどの役割・イベント・成果物からなる。

日本のアジャイルコミュニティとも深い関わりがある(agile 参照)。 2003年に最初のスクラム本を共訳した。(works 参照)

なお、日本でのCSM初開催は2007年10月(スライド「忘れられたXPer」より)。当時は外資系企業からの参加が多かった。Takeshiはこの日本初CSMにも参加している(Scrapbox「日本アジャイル昔ばなし」より)。


Takeshiのスタンス:フレームワーク推進言説へのモヤモヤ

スクラム自体への批判ではなく、「フレームワークとしてやれ」という推進言説がもたらす構造的な問題(失敗解釈の偏り・誠意の指標・ScrumPatternsとの対比)について長年モヤモヤを抱えている。個人的には、フレームワークとしてではなく、パタンとして順に採用していくことを勧める。

詳細は → scrum-framework-discourse

評価:コンパクトさとコミュニティ

コンパクトさへの努力:

  • 肥大化しないようにコンパクトに収め続けている点は「エントロピー増大」に抗っていて理想的だと感じる。
  • スクラムガイド2020改訂で「開発チーム」→「開発者」に変更されたのを評価。「開発チームじゃないよ開発者だよ」と常に注釈をつけていたので。開発者とPOが分断されてはいけない。
  • Self-managementの表記追加はティール組織の影響の可能性(teal-organization)もあると推測している。
  • ITドメインに限定せず汎用的な組織フレームワークへ向かう方向性は、間違っていない
    • 一方でソフトウェア開発から離れることへの批判もある。

コミュニティへの評価:

  • agile コミュニティのつながりを大切にしている点は評価している
    • スクラムフェスタ、Scrum Gatheringの日本国内での広がりは素晴らしい
    • Takeshiは、何度かスクフェスで登壇している。
  • ScrumPLoP(Scrum Pattern Languages of Programs):長い年月をかけてパタンを共有・洗練するコミュニティ活動。パタンはオープンに共有することが大事、という姿勢は共感
    • ScrumPLoPはJames Coplien氏が関わっているので、さすがという感じ。

関連書籍

A Scrum Book: The Spirit of the Game(★★★★)

Jeff Sutherland, James O. Coplien 他著。スクラムをパタン・ランゲージとして書き直したもの。パタンの質にかなりばらつきはあるが、フレームワークではなくパタンで語るアプローチに共感。

christopher-alexander との接続


意識レベルから見たスクラム

XPやスクラムの価値に「勇気」があるのは、それが人間のエネルギーがパワーに変わる最初の意識レベルだからなんだよね。でもそこはまだ始まりに過ぎない。——2021/10/16

david-hawkins のパワーvsフォースで言えば:スクラムはフォースからパワーへの移行の入口に位置する。意義はある、が、それは始まりに過ぎない。


関連記事・一次資料

note.com

スクラムとの関わり・コミュニティ

XP・アジャイル史・批評

giantech.jp

Medium


スクラムを推進する人へのリクエスト

長年の思索の着地点として、一言だけ:

スクラムを推進する人には、自己正当化をせず、スクラムはあくまで仮説として、導入自体の是非も踏まえて、純粋に検討・導入・実践・評価してほしい。——Takeshi


関連ページ

  • scrum-framework-discourse — スクラムを巡る言説:フレームワーク推進言説の構造的問題(詳細)
  • framework-adoption-mindset — フレームワーク導入の意識:ScrumBut・スクラムウォーターフォール・採用側の意識の考察
  • agile — アジャイル:スクラムを含む広い文脈
  • xp — eXtreme Programming:XP的価値観との比較・スクラムへの批判の文脈
  • ga-shu-ha-ri — 我守破離:フレームワークを先に与える弊害の根本論
  • teal-organization — ティール組織:Self-management・Wholeness概念との重なり
  • david-hawkins — 意識レベル:スクラムの価値の位置づけ
  • christopher-alexander — パタン・ランゲージ:A Scrum Bookとの接続
  • works — 著作一覧:最初のスクラム本共訳(2003)