日本アジャイル昔ばなし
Takeshi(懸田剛)の視点による、日本アジャイル運動の草創期(2000〜2010年)の記録。
XP祭り2022基調講演「XPの旅〜そして全体性へ〜」として発表。自己規定は 「忘れられたXPer」:
歴史に埋もれてしまいつつあるアジャイル黎明期に生き、何か凄いことを成し遂げたわけでもないが一エンジニア「忘れられたXPer」として、XP、スクラムなどのアジャイルソフトウェア開発がどのように日本で種が蒔かれ、芽生え、育っていったのかを、個人の体験と教訓として物語ります。
年表:草創期の流れ
Before Agile(〜2000)
- 紙爆弾の大量生産・仕様を誰も知らない・存在しないバグ票の捏造——旧来型開発の問題群
- XPとの出会いはRuby → [xp-jp] メーリングリストに参加
- Linux 2000 Fall YAPRC にて助田さん・石井勝さんと出会う
2001〜2002:創世期
- 2001/03 XPJUG 立ち上げ
- 2001/04/19 来日 Kent Beck への質問:「チームとして大事にすることは?そのために何をすればいいと思う?」
「その文脈で何をすべきかは、その時、その場所で自分で考えて答えを出さなければならないんだ!!」
- 2001/11 eXtreme Programmingテスト技法 書き下ろし — 日本初のアジャイル書き下ろし本
- 2002/07 XP祭りスタート — 日本で最初(?)のスクラム事例発表、日本で3番目のライトニングトークス
- LT銅鑼の誕生:XP祭りで渋川家の中華鍋を叩いたのが始まり。天野&懸田が銅鑼を購入→オブラブのLTで使用
はじめは、ささいなきっかけ。いつしか、それが文化・伝統になる。
- 2003/09 スクラム本翻訳(XPJUG にて)— 日本との繋がりを知る
2003〜2004:ESM・オブジェクト倶楽部
- 2003/12 平鍋さんの誘いで永和システムマネジメント(ESM)へ
- 2003〜 オブジェクト倶楽部 に参画
- 中規模プロジェクトにXP・パターンを導入し成功体験(ユニットテスト・CI・チームの文化・段階的変容)
- 2004年:「アジャイルのブームは終わった」 時代——拒絶反応と誤解の蔓延
- 「ドキュメントを書かない」「設計をしない」「できるエンジニアしかできない」等
- 2004/07 プロジェクトファシリテーターという妄想:「プロジェクト全体をファシリテートするロール」の構想
- 2005年 プロジェクトファシリテーション爆誕(オブラブにて)
2006〜2010:地下活動と潮目の変化
- 「アジャイル」がNGワードだった時代(2006〜2008)
- チェンジビジョンで TRICHORD を開発してアメリカへ
- 日本で最初の CSM(認定スクラムマスター)に参加
- Agile2008 で日本から押しかけて発表
- XPJUG が一度解散を決めた後、形を変えて再出発
闇にさす光をXPで見て、再び闇に覆われて地下活動をしていたら2007年くらいから潮目が変わって光が指してきた。
ターニングポイント:愛媛移住(2010年)
2010年の愛媛移住が大きな転換点。
- 〜2010年:日本アジャイル創世記、最前線での活動
- 2010年〜:地方におけるアジャイル普及と苦難、地方への波及
「XPの旅〜そして全体性へ〜」の構成
この歴史は単なる振り返りではなく、XP→全体性という思想的深化の軌跡でもある:
- アジャイルの日本の始まりと広がり(上記の年表)
- そこから醸成された 全体性についての発見(→ wholeness)
関連 docswell スライド
- XPの旅〜そして全体性へ〜XP祭り2022年基調講演(2022/10/01)— 「忘れられたXPer」として草創期を語る
- アジャイルコミュニティを25年続けてわかってきたこと(スクフェス金沢2025)— 「『XPの旅』とかぶるので詳しくはこちらで」と参照
参考スライド・記録
- yattomのAgile Communityスライド(2008): slideshare.net/yattom/agile-communities-in-japanj-presentation
- fkinoがまとめた歴史のスライド(2015): slideshare.net/fkino/brief-history-of-agile-movement