宮本常一(1907-1981)
日本の民俗学者。山口県周防大島出身。渋沢敬三の元で民俗学を研究し、日本全国を歩いて庶民の生活・文化を記録した。
『民俗学の旅』— ★を10個つけたいくらい影響を受けている著作。生き方、物の見方、様々な点で影響を受けている。
核心的引用
「父の十訓」より(抜粋)
周防大島から大阪に旅立つ際、父から伝えられた心得の一部:
(1) 汽車へ乗ったら窓から外をよく見よ。田や畑に何が植えられているか、育ちが良いかわるいか。村の家が大きいか小さいか……そういうことでその土地が富んでいるか貧しいか、よく働くところかそうでないところかよくわかる。
(2) 村でも町でも新しくたずねていったところはかならず高いところへ上がってみよ。そして方向を知り、目立つものを見よ。
→ 観察とは「高さと動き」の組み合わせ。身体ごと土地に参与する認識論。
渋沢敬三の言葉「大事なことは主流にならぬことだ」
大事なことは主流にならぬことだ。傍流でよく状況を見ていくことだ。 舞台で主役をつとめていると、多くのものを見落としてしまう。 その見落とされたものの中に大事なものがある。それを見つけていくことだ。
「いったい進歩とは発展とは何であろうか」(『民俗学の旅』P.234)
すべてが進歩しているのであろうか。停滞し、退歩し、同時に失われてゆきつつあるものも多いのではないかと思う。 失われるものがすべて不要であり、時代遅れのものであったのだろうか。 進歩の影に退歩しつつあるものをも見定めてゆくことこそ、今われわれに課せられているもっとも重要な課題ではないかと思う。
この言葉は自分の中に常にあり、物事を見極める時に常に考えている。(Takeshi)
四国との接続
『忘れられた日本人』の舞台は四国が多く、特に土佐、伊予のあたりの地名が結構わかる。「わかる、わかるぞぉ」という感じ。宮本常一が歩いた古道を今度通ってみたいなぁ。
→ shikoku-michi(四国のみち・走り遍路)との深い共鳴。
アジャイルとの接続
XP祭り2021(2021/9/18)で「民俗学と宮本常一が好きな人集まってください!?」と登壇告知。agile(アジャイル)の実践者としての目線が、宮本常一の「傍流の観察者」像と重なっている。
日本の会議文化との洞察
宮本常一「対馬にて」より:
日本におけるムラの意思決定は存外に民主的でした。そうであるから村として決めたことには、全員が揃って努力することができた。
→ 日本の合意形成文化(時間はかかるがイエスは確実)の歴史的ルーツ。
主要書籍
- 『民俗学の旅』— ★★★★★。最核心の一冊。周防大島生家近くまで訪れるほどハマった
- 『忘れられた日本人(岩波文庫)』— 宮本常一著作を片っ端から読むきっかけとなった一冊
- 『今を生きる思想 宮本常一 歴史は庶民がつくる』— 入門として非常におすすめ
関連ページ
- wholeness — 全体性:宮本常一の「高いところへ上がる」観察眼と共鳴
- shikoku-michi — 四国のみち:宮本常一が歩いた古道との接続
- agile — アジャイル:「傍流の観察者」としての共鳴
- src-tkskkd-world-scrapbox — 出典元
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- chichi-no-jukun — 父の十訓:宮本常一が父から受けた参与的観察の心得
- boryu — 傍流:渋沢敬三の言葉「大事なことは主流にならぬことだ」との接続